台風が接近しそうだったり大雨が続きそうだったりすると何かと心配ですよね。
ただ、台風や大雨は気象情報とかである程度事前に予想できることもあります。
今回は、台風や大雨で水害のおそれがある場合の「念のため避難」という考え方についてや、台風や大雨で緊急避難をするときの注意点についてお話しますね。
また、台風のときに事前にスケジュールを作成する一例についても触れます。
水害危険時の避難でタイミングの心得
台風や大雨により水害のおそれがある場合、避難するタイミングの心得として、
「念のため避難」
この考え方を大切にしてください。
空振りを恐れず、早めの対策がやっぱり大事ですね。
「念のため避難」という考え方には、「明るいうちに」という意味や「水がくる前に」という意味が込められています。
- 明るいうちに「念のため避難」
当然ですが、周囲が暗くなってからの避難は難しくなりますし、危険です。
日中は、そんなに大雨でなくても、天気予報やニュースで夜になると激しい雨の可能性があると言われていたら、昼間のうちに避難しておく方が安心ですよね。
町内会の中には、避難するときに、ご近所の高齢者や体の不自由な方への声かけをするように日頃から自主訓練されているところもあります。
2018年7月に発生した西日本豪雨の際、日頃からご近所への声かけなどの避難訓練を定期的に行っていた地区では、地区の皆さんが全員無事だったケースもありました。
声をかけ合って協力することはとても大切なことですね。
- 水がくる前に「念のため避難」
河川が決壊し、住宅地や道路に濁流が流れている様子をニュースなどで見たこともあるかと思います。
濁流は、水位が20cmぐらいあれば、勢いが激しくて渡るのは難しくなります。
ぱっと見は、小さな流れのようでも実際は激しいもの。
膝上まで水位がきてしまったら、徒歩で避難することはできません。
自宅の近くに河川がある場合や、河川から離れていても低地の場所に住んでいるときは、早い段階で念のため避難を心がけてください。
すでに洪水が起こるなどして、避難所への外出がかえって危険な場合は、自宅内の上層階に避難するという方法もあります。
ですが、原則は早めに準備をして避難所へ避難することです。
早めの対策がやっぱり大切ですね。
大雨や台風で緊急避難時の注意点
続いては、台風や大雨で緊急避難をする際の注意点について。
台風や大雨で緊急避難時の服装は?長靴は注意?
基本的な服装は、上下に分かれたレインウェア、帽子(ヘルメット)、スニーカーですね。
なお、レインコートタイプは避難時には向きませんので、上下に分かれたレインウェアですね。
避難時に向かないのは、レインコートタイプは強風ではだけてしまう可能性があるからです。
また、雨のときは長靴って思うかもしれませんが、普通の長靴は上から水が入り動きにくくなるので注意してください。
なので、足元は脱げにくい靴ひもタイプのスニーカーにしましょう。
両手を空けておく方がいいですから、荷物は軽くして背負うかたちで、傘も使いません。
帽子やヘルメットは風で飛んでくるものから頭を守れます。
強風や突風で急に何かが飛んでくることもありますから。
レインウェアのフードは、帽子の上からかぶると前が見えやすいですよ。
帽子なしで直接、レインウェアのフードだと前が見えづらいこともありますよね。
あと、首から防水ライトを下げておきましょう。
川沿いを避難しない、橋を渡ることはしない
台風や大雨のときはとにかく川には近づかないことが大事。
急に増水したり、強風や足を滑らせて転落したりと危険がいっぱいです。
まだ直撃していないから大丈夫といった考えは絶対にしないようにしましょう。
水平避難より垂直避難という選択肢も
避難所が自宅から遠い場合もありますよね。
そういうときは、無理して避難所に行くよりは、マンションやビルの上層階などに一時的に避難するという選択肢も。
近くに高台があって知人宅があれば、そこに一時的に避難させてもらうのもいいですね。
避難行動は、水平方向に避難するばかりではなく、高いところに避難するという垂直方向の避難も場合によっては必要です。
道路冠水時の避難は?
道路が冠水すると一面が濁った水であふれていますから、足元が見えません。
マンホールのふたが外れていても気づきませんので、穴に落ちてしまう危険もあります。
なので、つえやストック、棒とかを使って足元を確認しながら歩くと安心ですよ。
そうはいっても、この先の避難経路は危険だなあと思うときは、引き返して自宅で避難することも考えましょう。
台風対策でできることを事前にスケジュールで確認
台風は地震とは違い、事前に進路の予測もある程度分かりますよね。
なので、台風の場合、進路予測をもとに身構えておくという意識が大切。
台風対策の一つとして、事前にスケジュールを作って確認してみましょう。
目標は、台風の影響が一番激しくなる時間帯の1日前(24時間前)にすべての避難行動が完了していること。
3日前(72時間前)をスタートとして考えます。
天気予報で台風の進路がほぼ確かなものになるのが、およそ3日前(72時間前)ですからね。
これからお話するスケジュールはあくまで一例です。
ご家庭の状況に合わせて、スケジュールを確認してみてください。
実際には、身の安全を優先して行動してくださいね。
台風に備え自転車や植木鉢の取り入れ、物干し竿の固定も
- 3日前(72時間前)
台風の進路がほぼ確定した段階で、家の周りを整理整頓ですね。
台風で飛ばされるかもしれない自転車や植木鉢やゴミ箱などを屋内に入れておきましょう。
物干し竿など大きなものは固定で、壊れそうな箇所があれば補強することも忘れずに。
台風に備え買い物や避難場所の確認、予定のキャンセルも
- 2日前(48時間前)
台風では断水や停電になることもあります。
断水や停電に備えた備蓄を確認。
足りないものがあれば、買い足しておきましょうね。
(→防災で備える水の量は?災害への備蓄方法や非常食の家庭での選び方も)
(→カセットボンベは防災用にいくつ?備蓄に必要なものや災害時に犬は?)
また、ニュースなどから避難をする可能性が高い場合、避難先の確認を。
避難所が開設されるのかや、頼れそうな知人宅の様子はどうかなどの情報を入手しておきましょう。
あと、予定の調整もこの段階で検討。
以後の予定を前倒しするなど、できるだけ調整をします。
旅行などを予定していた場合は、キャンセルも検討して決定しましょう。
避難情報の最新や天候の変化に注意、台風に備え土嚢や水嚢も
- 2日前(48時間前)から1日前(24時間前)の間
「念のため避難」は早めの対策が大事でした。
避難情報や気象情報は最新のものに目配りをして、早めの「念のため避難」に対応できるようにしておきましょう。
台風の進路によっては、台風本体はまだ近づいていないのに大雨や強風になる可能性も。
なので、戸外の活動は台風がまだ近づいていないから大丈夫と考えず、天候を確認しながら行うことです。
当然ながら、大雨、強風になったらすぐに中断して屋内に入りましょう。
あと、この段階で必要に応じて、土嚢や水嚢を設置します。
避難完了時間、台風で会社に遅刻や休みの連絡、学校も
- 1日前(24時間前)
避難などの行動が完了しているのが理想です。
ここからは、屋内で情報を確認しつつ安全確保に努める段階。
一人は不安ですから、家族や知人と一緒に過ごしましょう。
1日前(24時間前)の段階で鉄道などの公共交通機関が運休の予定を決定するようになりました。
計画運休ですね。
当日になって急に運休だと混乱しますから。
通勤や通学に影響が出そうなら、休みや遅刻などの事前連絡をしておきましょう。
以上、事前に確認するスケジュールについてでした。
あくまで一例ですから、ご家庭の状況に合わせてくださいね。
あと、実際は身の安全を優先して行動してください。
台風に備え日頃から雨どいや側溝の掃除、屋根の修理を
家の周りの安全対策は、強風が吹きだしたり大雨になったりしてからでは、間に合いませんよね。
日頃から、雨どいなら破損の修理や落ち葉や土砂の詰まりの掃除をしておきましょう。
側溝も落ち葉や土砂の詰まりの掃除ができているか確認を。
雨どいや側溝の掃除は日頃からしておかないと、思いがけない浸水の原因になることもありますから。
屋根は、かわらやトタンにひびやはがれがあれば修理しておきましょう。
あと、近ごろの台風は、台風本体が通過したあとも大雨などが続くことがあります。
また、台風が通過したあとに時間差で深層崩壊などの土砂災害が起こることもあります。
台風が通り過ぎても、油断はしないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「水害の避難の心得と大雨で緊急避難の注意点、台風対策でできること」についてお話しました。
台風や大雨に対しては気象情報やニュースで最新の情報を得て、早めの対策を心がけてください。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
(→防災で備える水の量は?災害への備蓄方法や非常食の家庭での選び方も)
(→カセットボンベは防災用にいくつ?備蓄に必要なものや災害時に犬は?)
(→浸水対策に土嚢や水嚢、浸水に備え家庭では?豪雨で車を運転したら?)
(→家でできる地震対策でガラスは?合わせガラスと強化ガラスの違いは?)
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